スクエニ超絶決算からみる「星ドラ」「ドラクエウォーク」のこれから 2021年3月期


イトーヨーカドー大好き家族しよです。

毎週行くので、マクドナルドの店長に顔を覚えられているのはもちろん、この世に存在する全てのフライドポテトは「ポッポと比べてどうか」が妥当な評価基準であると思っています。

何でも揃う買い物のテーマパークというイメージはもはや昭和的発想らしく、コロナやEC化、消費しない若者マインドなど小売り業界に訪れる変革の波。

【日刊SPA!】
イトーヨーカ堂の閉店が止まらない深刻な理由。イオンと明暗を分けたものは

好きなアーティストのCDを買って欲しいという話が一時期話題になりましたが、好きなものや場所がなくなって後悔しないために、消費者としての行動は確かに大事だなと思う反面、時代にあわせたサービスに変わっていくことも生産者に与えられた使命なんだろうと思います。生きるって大変ですね

私は星ドラやウォークにお金を使っていませんが、これからもスクエニのゲームを新品で買おうと思っているので、FF7リメイクを数か月でフリープレイにするとか妻の目にとまったら大惨事になるので本当にやめて欲しいなと思うわけです

無料にすることで間口を広くして、プレイしたことがない層をターゲットにスクエニプラットフォームへ誘導する、そういう何かグーグル的フリーミアム戦略は好感が持てるし、事実かなり話題になったことを考えると会社的には成功してるんだと思いますが、我が家的には大事故です。

昨年ぐらいから、中華系ゲームの躍進やハイパーカジュアルゲームの台頭など、スマホゲーム業界にも変革の兆しが見え始めてますよね

【文春オンライン】
日本のスマホゲー“ガチャ”全盛時代がついに終わる? 新しい流れを象徴する3タイトルとその理由

正直、ゲーム内広告の威力が想像できず、東京通信とか専業の事業紹介ページを見ても何を言ってるのか全然理解できないですが、ガチャ課金システムが登場してからかなり長い年月が経つので、大手ゲーム会社としても、この流れを新しい成長の可能性と考え既に投資を始めていることと思います

モバイルゲームは、5G時代の到来で家庭用ゲーム機との垣根も低くなり、10年後も同じモデルで存続しているかどうか分かりませんが、とりあえず、一人のドラクエファンとして今年5月に発表されたスクエニの決算から、「星ドラ」「ドラクエウォーク」がどうなっていくのか、読み取れる内容を共有できればと思います。

はじめに、スクエニの2021年3月期(2020年4月から2021年3月)の売り上げは3,325億円で、営業利益が472億円、純利益が269億円と絶好調でした。

昨年4月頃からコロナによる初めての緊急事態宣言が出て、「テレワーク」「巣ごもり」「ステイホーム」といった新しい生活スタイルが広がり、それにぴったりはまったのがゲーム業界。

スクエニはもともと部門ごとに成長戦略を描き、右肩上がりを続けてきましたが、今期はコロナによる追い風をもろに受け、10年前の3倍近い売り上げを叩き出しました。
規模が小さいアプリ会社ならともかく、年商1,000億円を超える大企業の数字とは思えない

ただし、全ての事業が順調なわけではなく、部門別にみると、ゲームを扱うデジタルエンタテイメント事業が前期比39.9%増の2,639億円、タイトーステーションを運営するアミューズメント事業が24.8%減の343億円、ガンガンなどの出版事業が38%増の268億円であり、見るからに厳しいのがアミューズメント。
タイトーは、複数回の緊急事態宣言によるショッピングセンター、ゲームセンターの営業自粛の直撃を受け大幅な減収減益です。赤字になりました。
ただ、この事態に手をこまねいているタイトーではないわけです。ゲームセンターに人が来ないなら・・・家につくっちゃえばいいじゃんをコンセプトに、ちゃぶ台に置けるゲームセンター「イーグレットⅡ」を開発。何と18,678 円というお値打ち価格で40タイトル内蔵のドリームマシンを購入できるときた。安うーい!
発売はそう2022年3月!そうか今期もアミューズメントは厳しいな!!

逆に凄いのが出版。

本が売れない、書店が厳しいと聞くようになってから早数年。コロナを追い風に、業界には劇的な変化が訪れました

電子書籍の売り上げは毎年増加を続けていて、これからも成長を続ける予測。成長をけん引しているのは電子コミック(まんが)であり、イーブックやビーグリーのような総合コミック販売会社のほかカドカワ、アルファポリス、アメイジア、各大手出版社も参戦してまさに電子書籍戦国時代。
スクエニ出版事業の売り上げは38%増の268億円で、今期はアミューズメントを逆転する勢い。

恐るべきは脅威の営業利益率43.5%、ゲームや版権事業を加えた全セグメントでぶっちぎりのナンバーワンです。これには理由があって
数年前からデジタルシフトを進め、主力紙ガンガンのオンライン化やポイント型アプリ「マンガUP!」で大成功したからです。

電子媒体の売り上げは142億円であり、はじめて紙媒体125億円を逆転しました。

自社の電子書籍は、消費者直販で利益率が非常に高いことが想定できるし、電子まんがはロトの紋章のような過去作品も売りやすいこと等メリットが山ほどあります。また、雑誌掲載の形でしか仕事を得られなかった作家も、ウェブ上の流行から身を立てることも可能になりましたと、まさに新しい時代の流れ

デジタル媒体は実体がないという優位性を活かして1冊無料や全巻割引のキャンペーンをしていることがほとんどなので、あまり興味がない人も入りやすいですよね。

私自身、今年はたくさんの無料漫画に触れ、漫画ってやっぱり面白いなと感動しました。いい時代になったと思います。

次、肝心のデジタルエンタテイメント
HDゲーム:966億円(43%増)
MMOゲーム:398億円(0.7%減)
スマホゲーム:1,274億円(8.3%増)

PS向け等のHDゲームは、発売3日で350万本売れたというFF7リメイクの他、聖剣伝説3、ブレイブリーデフォルト2などが主なタイトル。

HD事業はもともとドラクエ、FF依存の傾向が強く、大型タイトルが発売される年とされない年の緩急が大きいですが、今年はかなりの売り上げがあるように見える。
でも20年9月に発売したアベンジャーズは、巨費を投じられたHDゲームですが発売後の評価は散々なもので商業的に厳しい結果になったと思われます。

逆に、上記のセグメントに対する概観では「過去作のカタログ販売好調」とあるので、ドラクエ、FFのセール品や、オクトパストラベラー(200万本)、ニーアオートマタ(500万本)等が好調だったんじゃないでしょうか。

今期は、昨年公表していた事業別の利益率がなぜか非公表なので、昨年の数字を甘くあてはめてみるとこう

【売上・営業利益予測】
HDゲーム:966億円(約60億
MMOゲーム:398億円(約191億
スマホゲーム:1,274億円(約254億

FF14とドラクエ10のMMO事業は「継続課金収入が好調」と説明されているので、昨年同様の191億円程度と想定、HDゲームは昨年赤字でしたがギリ黒字になったと予想。そして、スマホゲーム事業は、売り上げ・利益ともに過去最高を達成したものと思われます。
決算の説明によると、ドラクエウォーク、FFBE幻影戦争を筆頭に、ドラクエタクト、オクトパストラベラー、ニーアリィンカーネーションの新規3タイトルが好調

しかし、説明文からは全く高揚感が感じられません。

それもそのはず。昨年「主力タイトル」とされていたゲームの中からも、ドラクエライバルズ、ミリオンアーサー、キングダムハーツ、スターオーシャン、ブレイブリーデフォルトなど、おなじみのIPからもサービス終了を次々と断行↓
今期以降も、FF7のスマホゲーム等をリリース予定ですが、E3に目ぼしいモバイルタイトルがなかったことを考えても、このままの課金ビジネスでスマートデバイス事業の将来像を描けるのか、不透明な状況です。

足元が絶好調でも、スクエニのゲームをとりまく環境は
  • PS5のような家庭用次世代機と5Gクラウドゲームの可能性などを含め、将来性はあるが利益率が低いHDゲーム事業
  • FF14とドラクエ10に偏ったMMO事業
  • 数年後はどうなっているか分からないスマホゲーム事業

というリスクだらけの状況にあると言えそう。

ここ5年のスクエニは、早期からのスマホゲーム投資が功を奏し、コロナの追い風で最高益となりました。その成長エンジンが転換期を迎える前に、VR時代の先を見据えた仮想世界メタバース、OpenSeaに代表されるNFT(デジタルデータ)など、新しい領域へ目を向け始めています。
いずれも大人数同時接続でノウハウや技術を持っているスクエニには強みがあるだろうし、FFやドラクエが、ゲームにとどまらないヴァーチャルリアルな空間に進出する日、見てみたいですよね。

ドラクエ世代の私からすると、どこか外国のくそリアルなアバター世界よりもスクエニ製メタバースに期待せずにはいられない

今後、会社全体としては、上記のように既存IPの強化、新規IPの創出、MMOの会員増など、いたって普通の目標を掲げていますが、スマホゲームは、既存タイトルからの継続・安定収益を堅持しつつ、新規開発は少数精鋭主義を継続だそうです。




ここからが本題ですが、じゃあこれからの星ドラやウォークはどうなっていくのか。Game-iの予測によると、2020年のスクエニタイトルの売り上げ予測はこれだ!

【2020年主力アプリ売上予測】
ドラクエウォーク 387.21億
ドラクエタクト 116.11億
星ドラ 51.13億
ドラクエMスーパーライト 46.26億

FFBE幻影戦争 75.92億
FFレコードキーパー 25.36億
FFBE 21.50億

ロマサガ 103.15億
シノアリス 46.13億

ランキング上位常連のウォークが圧倒的な稼ぎ頭で387億円、その後、タクト(6か月で)116億、ロマサガ103億、FFBE幻影戦争75億と続く。

全体的にドラクエIPがどう見ても強く、星ドラは51億ですが同時期に始まったFFBEは21億、星ドラ以前のスーパーライトも、7年の歳月を経てなお年商46億と健闘しています。

スクエニHDゲーム部門と比較してみると、switch版ドラクエ11Sの売り上げは49万本であり、定価5,478円だとすると単純計算で26.8億円の売り上げ。スマホゲーム各個の売り上げがいかに凄いかが実感できる



星ドラは、2019年の109億円予測から半減しているため、元気がないように見えるのは確かですが、会社全体でみるとモバイルで1,000億円という当初の目標を達成し、新しい数字も示されていません。

ディベロッパーの取り分や運営コストは様々で、一概に比較できないとは思いますが、新規のタイトルには会社としても爆発的な伸びは期待していない感じなので、安定収益のために既存のドラクエにかかる期待は大きく、未だ年間50億稼ぐ力のあるコンテンツを、簡単に終わらせることなど考えられませんね。

では、サービス終了となったアプリの売り上げはどれくらいか。

【2020年その他アプリ売上予測】
ドラクエライバルズ 10.77億
ミリオンアーサー 0.38億
キングダムハーツ 3.94億
スターオーシャン 6.76億
ブレイブリーデフォルト 2.04億

ライバルズは、12月以降売り上げがさらに落ち込んでいるため、目安として売り上げが10億を切るとサービスの終了の判断が検討されるというイメージだと思われる。

ただし

刀使ノ巫女 4.66億
スクールガールストライカーズ 9.67億
とある魔術の禁書目録 16.89億

など、出版系とのコラボやキャラクター系IPは売り上げが少なくても継続されていることから、利益率が高いまさに少数精鋭の集団なんじゃないでしょうか。

ドラクエウォークは、開始時からふくびきの確率が変わっておらず、すんごいマイペースだなと感心するばかりですが、星ドラは昨年からCTが0になるなど結構思い切った環境の変化の中にあります

コロナで対面の仕事もできず、どこも厳しい中でうてる手を打っていると思いますが、何かいい結果になって、これからも正統派ドラクエアプリとして続いていって欲しいなと期待します


スポンサーリンク

2 件のコメント :

  1. しよさん こんばんは~ソーマです。

    星ドラ頑張ってこの先も続けて欲しいですね(^^)d
    ゲーム8の書き込み見てたらサービス終了が近いとか何とか書いてあるので不安でしたが、しよさんの
    記事で安心しました( ̄▽ ̄)

    もう星ドラは日課になっているので、出来れば
    何年先も続く事を1ドラクエファンとして願います(;^_^A

    返信削除
  2. ソーマさんおはようございます
    FFウォークもつくって欲しいですよね。モンスターがモルボルとかえぐいのばっかでめちゃくちゃ叩かれそう
    ドラクエモンスターズスーパーライト、FFBE、星ドラが似たようなポジションにいるので、他のが終わらない限り大丈夫だと思って見てます。市村プロデューサーは出世していなくなる・・とか普通にありそうだけど
    担当多すぎですよね。スクエニの人みんなあんな働くのかな!?

    返信削除