前日に行われた星ドラの前夜祭は、参加者が協力プレイをしたり、ドラクエの生みの親である堀井雄二氏が登場したりと、ファン興奮の鬼イベントが目白押しだったのだが、そんな中、ネット配信を見ていた一人の男はある発表に心を震わせていた
星ドラで「ロトの紋章」コラボイベントを実施するというのだ
ロトの紋章とは、私が小~中学生の頃「月刊少年ガンガン」に連載されていた漫画で、ドラクエをテーマにした重厚なストーリーと緻密なイラストが売りの、名実ともにガンガンを代表する超人気漫画だった
連載を終えてからずいぶんと時間が経っているし、物語の内容はすっかり忘れてしまっていたが、前夜祭に登場した魔人王ジャガンの姿を見た瞬間、彼の悲劇的な運命や、勇者たちの熱く激しい冒険の物語が、記憶の中に鮮明に蘇ってきた
そうだ。私は、少年ガンガンの応募者全員サービスで「ロトの紋章テレホンカード」なるものを手に入れてしまうほど、この作品に惚れてはいなかっただろうか
応募者全員サービスというのは、好きな作家がデザインしたグッズを、希望した全員が手に入れることができるという余りにも画期的な企画・・
と思わせておいてからのその実、お金をとってただ通信販売をするだけという、今ではギリギリアウトな消費者庁案件だが、時代が時代なので許して欲しい
なぜなら、ネットなどなかった当時、田舎の少年たちにとって雑誌の懸賞とは、お洒落で洗練された決して手が届くことのない「夢」であり
テレビでしか見たことのない「ギンザ」や「カブキチョー」などという凶悪犯罪者たちが跋扈する荒廃した首都東京と、自分たちの狭い世界とを繋ぐ唯一のエビデンス的なアレだったのだ。それは何ならインディペンデンス的ですらあり、時にはアデランス的なニュアンスも含まれていると言っていい
ガンガンの応募者全員サービスを見た少年たちは口ぐちに「これは罠だ!」と叫んだ
ドラクエという悪魔の書で子供達の心を支配するに飽きたらず、雑誌まで出版し、今まさに、天下の往来まで支配せんと企むエニックスの秘宝が、こうも易々と手に入るだと?
少年たちの疑いは次第に怒りへと変わる
「おのれエニックスめが」「二束三文の懸賞ごときでわれわれの結束が破れると思うたか」「槍だ!槍を持てい!」
次の日、少年たちはこぞって懸賞に応募した
当時は、クレジットカードやコンビニ決済ではなく、茶封筒に切手を入れて送り付けるという方法をとっていて、全国から数千、数万通もそんなものが送られてきたら、分類だけでも相当な時間がかかることは想像に難くなく、実際、モノが手元に届くには、実に数か月もの時間を要した
だが幸いにも、われわれには刀がただ錆びていくのを待っている時間などない
犬のウンコを棒でつつくことに興じたり、あるいは、隣町に「どどん波を実際に出したかもしれない奴がいる」という噂を聞くたび、その真偽を追求せねばならず、多忙を極めていたのだ
そうして、努力と研鑽の日々を超え、季節が移り変わった頃、ついに手元に届いたロトの紋章テレホンカードの美しさといったら・・!
ああ、この感動は生涯忘れることはないだろう
※最初に忘れてたと言った話はどうか忘れて欲しい
カードはそれ自体が500円分の金券としての価値を持つ、社会的にも認められた価値ある存在で、いわばマフィアたちにとっての金塊、お父さんにとっての一杯目に等しい
テレホンカードは、使用すると穴が開いていく仕組みになっていて、コレクターは絶対に使ってはならないというのが常識だった
私も、そのテレホンカードは透明のビニール袋に包んだまま、部屋の小高い場所に掲げては、来る友人たちに見せびらかしては誇らし気に言うのだ
「これは将来、数十万円の値がつくね」
馬鹿野郎である。お小遣いを中古ゲームにぶっこむ、社会経済の何たるかをわきまえぬ小僧でも、「希少価値」という言葉の魔力に酔うことだけは知っていた。希望した者が全員買える商品に稀少価値などないと大人になってから知るだろう
だが、幸せな時間を過ごしたことだけは確かだ
例え、泡ようにはかない存在だとしても、その価値を信じてさえいれば、それを所持している人間の価値が上がったような気がしてならなかったのだ
そういえば、ロトの紋章を語る上で「コミックCDコレクション」の存在も欠かせない
今ほど深夜アニメという文化がなかった時代、漫画がテレビアニメ化されるというのは大事件であり、選ばれしコミックのみが許された特権だった
当時、ガンガン系コミックでテレビアニメ化されたものは「南国少年パプワくん」ぐらいしか記憶にない
パプワ君とは、ずば抜けた笑いのセンスと理解不能なシュールさで少年たちに平凡に生きることへのアンチテーゼを突き付けた傑作漫画で、パプワ君を初めて見た者はこう思わずにはいられない
「なぜ、この作品の大人たちはいつも鼻血を流しているんだい?」
元来、漫画における「鼻血ブー」とは、男性が性的興奮を覚えた時に用いる古典的な演出であり「ロミオ=ベランダ」程度のシンボルでしかない
興奮したらむしろあちらが勇者になっちゃうよねという話は置いといて、パプワ君で鼻汁をブッシャーしているのは決まってタンクトップの大人であり、少年誌で脈々と受け継がれてきた伝統の鼻血芸を、真顔の大人たちが破壊していくことで途方もない意外性を生んでいるのだ
「この後はどういう展開になってしまうのか・・」という読者の不安を逆手にとり、次々と押し寄せる意外性のビッグウェーブで読者を殴り倒す
見た者は、今まで感じたことのない心地よさに包まれ、たちまち心を虜にされてしまう。それはまるで、南フランスで奏でるドビュッシーの旋律のように。ドビュッシーというのはヨッシーをドビュった感じの生き物だったと思う
パプワ君が用いた、人間の感情をもてあそぶかの如きその自由な表現方法は、漫画の持つ創造性という揺るぎない概念に、無限の翼を与えたのだ!
本書を読み終えた時、あなたはきっと「なぜ鼻血を流しているんだい?」などという愚かな問いかけに明確な答えを見つけているはずだ
「こいつら変態なんじゃね?」
そう、みんなただただ変態だ・・それがパプワ君という漫画なのだ
この際、20年ぶりに描いたパプワ君を代表するキワモノキャラ「タンノ君」を見て欲しい
「こいつヤバイな」というあなたの直感はおそらく正しい
不特定多数の人が閲覧できるWEBの大海原に、恥の塊を投下する意味がどこにあるだろうか
だが、やらずにはいられない。自分を卑下して笑いをとろうとか、そういう気持ちではなく
ただモテたい
という純粋な気持ちなのだ。まて、まだ閉じないでもうちょっと聞いてくれ。モテる要素なんて一切ないなんてことは分かっている。だが足が速い、勉強ができる、女子と仲良くなるために強みをアピールしていた少年時代、私にできることと言えばタンノ君を描くことぐらいだったのだ
つまり私は今、ブログという媒体を利用して、孔雀のオスでいうところの羽をファッサーッと広げている状態なのである
いかがだろうか
・・・・・
さあ、以上がコミックCDコレクションの説明だが、内容をもうちょっと説明すると、つまりは本屋さんで売ってるドラマCDで、漫画でしか見ることができない世界観に、声で魂を吹き込んだ超イノベーティブな発明品ということだ
アニメにならなくたって、その世界観を耳からも体験できる!世界四大発明は火薬、羅針盤、活版印刷、コミックCDコレクションと言っていい
近所の本屋で、ロトの紋章コミックCDコレクションを手に入れた私は、夜な夜な布団の中でアレフガルドへと冒険に出かけた
漫画とは違い、声で活き活きと描かれたロトの紋章の世界は、それはそれは素晴らしく、その頃の感動と興奮は今でもはっきりと思い出すことができる
そろそろ漫画の内容に入っていきたいところだが、何故か既に3,000文字を超えているので今日は1つのことだけをお伝えして終わりにしたい
ロトの紋章はおもしろい!
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しよさん、こんにちは
返信削除ぽんぽこぴーです。
ロトの紋章コラボ来ましたね!
実は、ダイの大冒険よりも好きです。
続編も読んでますし!
賢王ポロンがたまんないですね。
遊び人から賢者への転職・・・たまんないっすw
そして、いよいよ「はやぶさの剣」の出番じゃないでしょうかw
このタイミングしかないんじゃないですか?
剣王しよの誕生だ!
ぽんぽこぴーさんこんばんは
削除かなり好きっすね!?ポロンの覚醒のくだりははっきり覚えてます一番泣けますよね
タルキンのメガンテはポップには負けますが、あのアリアハンの一連のストーリーはほんとに神がかってました
そうなんですよそしてどう考えてもキラの黒いはやぶさの剣がガチャで出てくるんですよ!!
斬られた傷が治らないとかいう能力のせいで、基本性能が弱くされちゃったらどうしようとか今から心配してるんですけど
もともとのはやぶさの剣錬金はどうなってしまうのか注目してます
あと合体魔法も何個登場するのやら
しよさん、興奮しすぎてロトの紋章の魅力、1つも伝わってねーから!!
返信削除あ、黄金竜ガチャおつかれでした。
黄金竜鎧上ライフ、楽しんでますか?
楽すぎてクセになりますよね。
さとうさんこんばんは
削除よーし次はきっと漫画の内容を語るぞー!
黄金竜鎧上いいですよ。こいつとルビスの扇はちょっと別格すぎませんか
まあベホマラー出た時もそんな感想でしたが
入手しやすくして星ドラ楽しめる人を多くしてほしいですね
ぐー!(๑•̀ㅂ•́)و✧
返信削除ぽちちさんこんばんは!輝石イベント時間があったらよろしくおねがいします
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