PSストアのセール時、ファミコンめいたグラフィックが目を引いたので気になっていたのですが、大金(300円)を使うからには、しっかりと中身を吟味したいと思うのが人というもの。
ならば、ストアの説明を見て吟味し尽くそうではないか
カエルが好きな方も、そうでない方も。中略
サラリーマンである主人公(二足歩行のカエル)が、いろんな武器を手に入れたり、ユニークなモンスターと戦いながら、出張で訪れた未知の大地を冒険します。
うん。分からん!
ぱっと見「クロノ・トリガーのアレに似てない?」ぐらいの感想しか浮かばず、むしろカエルに対して一切の感情を持ち合わせていない自分に愕然とするしかなかったわけですが果たしてこのゲームは買いなのか否か?
ただ一点だけ、説明の中で心の琴線にふれた箇所はある。
サラリーマンが、出張で訪れた未知の大地を冒険します
何か・・
何か切ないな!
ケロブラスターはどんなゲームなのか
ということで買った。300円で(※定価900円ぐらい)出張で夜の町に繰り出す時や、早朝のホテルから散歩する時のワクワク感って・・素敵やん?このドット絵から、そんな感情が味わえるっていうのかい?ケロブラスターさんよ
期待と不安が入り混じる中、ゲームスタートだ!
冒頭、デスクの前に呼びつけられ、いきなり上司にガミガミ叱られているカエル
言葉は不明ですが、結論から言いますと
ここ数年のゲーム体験の中で最も感情移入できました
ピーターがMJに振られた時よりも、ジョエルが敵だらけの研究所からエリーを連れ出した時よりも、腕を失ったブーザーと一緒にリッパーどものアジトをダムに沈めた時よりも心を揺さぶれました。
何て言うんです?脚本的でない圧倒的なリアリティ
恐るべし。ケロブラスター
社長に叱られた哀れなカエル。
社長は絶対に理不尽な要求をしたに違いない。カエルはベストを尽くしていたというのに
研究職らしき黒猫の同僚、ピンクの幽霊になぐさめられながら、転送装置のようなもので出張へ出かけていく両生類
悪いのは社長だってゲコよ!そんあ愚痴をこぼしたかったに違いありませんが、いつもニコニコしているカエルからは、そんな恨み言は聞こえてきません(妄想
CFっていうのは会社名で「キャット&フロッグ社」ロゴです
宇宙みたいなステージに移行した後は、いたってシンプルな2Dの横スクロールアクションゲームに
カエルは3機ある
昔ながらのビジュアルや効果音が使われているものの、ゲームデザインは最新の大作ゲームと一切変わらず。具体的には下記
・操作感
当たり判定が理不尽なファミコンゲームを想像するなかれ。快適なシューティング、軽やかなジャンピング、回復アイテムのドロップ率が高めのライフゲージ、どれをとってもストレスを感じさせない新設設計。今時のゲームだこれ
・親切なチュートリアル
言っても武器の切り替え位ですが、この見た目だと、一切の説明がなくて当然のところ、懇切丁寧にコツを教えてくれます。良い。
・オートセーブ機能
アイテムの一つでも買おうものながら、バックグラウンドでオートセーブ。ウィッチャー的。いつゲームオーバーになっても安心な忙しい現代人仕様。これは嬉しい。
ボス戦
全7ステージのボスにはそれぞれ特徴があり、動きのパターンを覚えて、HPを減らすタイミングを見極める必要があります。
普通にアクションやシューティングをやっていたゲーマーであれば、1回目で全滅したとしても、2~3回やれば撃破できる難易度。
ちなみにボスで全滅すると、ステージの最初からやり直す必要がありますが、獲得していたお金はそのまま貯まっている仕様なので、クリアできずに周回すればするほどお金がたまってパワーアップできるよ!
武器
4種類ある武器は、ステージが進むごとに開放され、それぞれ現金で3~4段階強化できる。
1段階強化するごとに、強さは劇的に変わるため、キャラクターを育てる楽しさ、強敵を倒していく達成感を、わずか10分で体験できるゲーム、そんな感じでしょうか
大人が集中してプレイするには歯ごたえがないですが、子供と一緒に楽しくプレイするなら丁度いいゲームです
全滅すると「とねかわ病院」なるホスピタルで目覚める仕様。ハンガーの哀愁が凄い。
あったあった。昔のゲームにはこんな病院のシーンが
激務で倒れたカエルは病院で目覚め、再び現場へと戻る。それこそが社畜だというのか・・
各ステージ10分~30分、全部クリアするのに3時間程度のボリュームです。
ケロブラスターストーリーのネタバレ
ところで、ケロブラスターのストーリーは謎だらけ。
話の展開からも、キャット&フロッグ社に勤めるカエルが、出張で訪れた各地のモンスターを駆除していくみたいなストーリーになっているので
特殊な掃除屋さんなのかなー(ゴーストバスターズ的な)ぐらいの認識だったのですが
途中からなぜか社長の顔がどんどん膨らんでいくというホラーな展開になっていき
その原因は、初期シーンから社長の後ろの水槽で飼われていたペット?のような黒い生き物であり、ラストステージではいよいよ黒い生き物は水槽から飛び出し、毒された社長が敵として襲い掛かってくるのです。
そして、社長を倒すと、社員全員を取り込んだ謎の黒い石板のような敵が現れ、「ERROR!」「010111」という文字列で急にデジタルめいた攻撃をしてくる始末
そんな描写、これまで一切なかったのですが、なるほどどうやらCF社は名前からしてIT企業であり、両生類が戦っている相手はPCの中の、データ上の敵ということなのかもしれません。
つまりカエルはシステムエンジニアだと
彼の姿が、朝6時の通勤快速で出向先に向かい、不眠不休でエラーやバグと戦い真夜中に家に帰ってくるSEの友人と重なりました。健康って大事だよね!
社長の背後にいる黒いペットは、経営陣の無茶な取り組みや依頼主の無理難題を示しており、アイディアに取り付かれ、溺愛した(ピンクのリボン)マネージャーはついに社員にまで襲い掛かる敵として表現され
さらにそのアイディアが破綻した後でさえプロジェクトの暴走を止めることはできず、平社員であるケロブラスターの自己犠牲的な行動によってのみ、問題を解決することができるのだ!
蒸発してしまった黒い塊と街並みを茫然と見つめる社長
京都タワーなのに利根川病院とはこれいかに。
その後、入院中のカエルのもとへお見舞いに来た同僚たち
黒猫からは「トラブルが減っている 」「早く帰れるようになる」という、ポジティブなのかネガティブなのか良く分からない言葉が聞こえてきて
今後の会社の運命も「社長次第」らしい。
新しい仕事をとってこれるかどうか、経営者は経営者で日々悩んでますね
そんなカエルに花をもってきた社長
容赦なく花瓶のようなもの活けるブラックユーモア
ただ、エンディングだけに大団円的な雰囲気が漂っているという、何とも清々しい終わり方になりました。めでたしめでたし!
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