時は19××年、核の脅威により文明が崩壊したロトゼタシア。暴力と混沌がはびこる世界の中、一子相伝の暗殺拳を操り、己が脚ひとつで悪鬼どもに制裁を加える一人の武闘家の姿があったのだ・・!(略 ばくれつきゃくで全部済む)
ロウとは、ドラクエ始まって以来の仲間にできる王様である
そのエロキャラをもってお笑い要因と断ずるなかれ。ブライにも、メルビンにもなかった誉れ高き王族設定こそ、マーケティングを重視するドラクエが導き出した新境地に他ならない。
とってつけたようなスケベキャラは王族というブルジョア感をうすめるエッセンスに過ぎず、樽めいた体と貫禄がある老人キャラこそがロウが持つ本来の魅力だと言えよう。
王様好きの全勇者に贈る、ドラクエの新たな可能性がここにはある!
ドラクエ11最高の名場面「今度は離さない」
画像フォルダを全部見渡してみても、マルティナとロウの名シーンを10個挙げることはできませんでしたが、心に残るイベントはたくさんある
筆頭にあげたいのは何といってもこちら、勇者とマルティナの再開シーンです
だから、そのエレノアさまが子供を授かったと聞いて…私、心の底からうれしかったの。自分に兄弟ができたような気がして…
ロウが実は勇者の祖父であると分かった後の話
マルティナが回想モードに入ろうとすると・・
そこへぇ!!グレイグ暗黒大将軍と、その配下にある極悪非道な兵士たちが血の匂いを嗅ぎつけてやってきたのだ!
取り囲まれ絶体絶命のピンチに陥る二人!このままではまずい。勇者ちの運命やいかに!!
グレイグにど突かれ、崖から転落してしまった勇者
下は数百メートルはあろうかという断崖絶壁だ!
たっ助からないっ・・!
とそこへぇ!
勇者を追い、迷いなく崖から飛び降りたマルティナ!
ひびく野生動物の咆哮!!
今度は離さない…っ!
マルティナは、勇者をしっかりと抱いたまま滝の中へと落ちていきました。
命をかけて勇者を守ったマルティナ。何が彼女をそうさせているのか、次の場面で明らかになります
そう…。私こそがエレノアさまに命を救われたデルカダール王の姫なの…。
16年前…キミを抱いたエレノアさまに連れられ、私はユグノア城を脱出したわ。でも魔物の集団に追いつめられて…
魔物に見つかり、幼く非力だった私は逃げる途中で川に落ち…キミを手放してしまった…!
あの後、ロウさまに助け出されたのが私ではなく、せめてキミであったなら…と何度も思ったわ
お父さまを利用しているのは誰なのか、真実を明らかにするため、私とロウさまは旅に出たのよ
マルティナは16年前、赤ん坊だった勇者を手放してしまったことを告白、エレノアから託された信頼に応えられなかったこと、負い目を感じて生きてきたことが痛いほど伝わってきます。
武道会で偶然出会った若者が、生き別れになった赤ん坊だと知った時の喜びを想像すると言葉がみつかりませんね
勇者が崖から転落したことは、マルティナにとって過去の後悔を、人生をやり直す機会だったし、飛び降りることをためらう理由にはならなかったのだとここで分かります
ドラクエ11のサブタイトルは「過ぎ去りし時を求めて」
そこには、時のオーブを使った疑似時間旅行という直接的な意味があると思いますが、もう一つ、登場人物たちの後悔や懺悔をやり直せるという前向きな意味が込められているのだとすると、「過ぎ去りし時を求めて」はマルティナのためにあるようなタイトルだし
今度は離さない
はドラクエ11を象徴するセリフなんじゃないかと、むしろCMのコピーにしたいぐらいチカラを持った言葉だな好きだ!思わずにはいられません
あと落下中の男女が空中で何かを育む展開って鉄板だからね?
雨があがったようね
とりあえずユグノア城に戻りましょう
よかったね!
エレノアが旅立った日
ロウにもぐっとくるシーンがある。
やはり再開シーン
エレノアよアーウィンよ…。よろこべお前たちの息子じゃ。元気に生きておったぞ…。
よく戻ってきたな我が孫よ。よくぞ…よくぞ生きていてくれた。
ユグノア城跡で再開したロウが、実は元国王であり、勇者の祖父であるという怒涛の展開を見せるイベント
ロウは、ユグノア滅亡の原因とデルカダール王変心の原因を探ることを生きる糧とし、16年の間、放浪の旅を続けてきたといいます
まあ、デルカダール王の変心は変身が原因だったんだけどね!
ユグノア王家には、代々伝えられている鎮魂の儀式があってな。非業の死を遂げたエレノアたちを共にとむらってほしい。
そして、16年ぶりに再会した祖父の最初の頼みは「鎮魂」だったのでした
人は死ねば皆、命の大樹へと還ってゆく。あの大樹の葉1枚1枚が人の魂と言われておる。されど…
魔物によって非業の死を遂げたものは未練を残し、この世を迷うという…。そんな魂を救う儀式がこの地に伝わっておる
ロウからはマルティナ同様、生き延びたことに対する後悔がうかがえます
赤ん坊の勇者を救えなかったことで、エレノアの魂は未練を残し命の大樹へと還れなかったのか、実際のところは分かりません
でもロウはそう考えずにはいられなかったようです。
香木の煙に集まった光る蝶が命の大樹へと昇っていく
自分だけが生き延びたことにも意味があったのだと、エレノアが勇者を逃がした行為が無駄ではなかったのだと、16年の時を経て感じることができたロウ
大樹に向かう蝶たちの姿は、ロウにとって、安らかなエレノアの魂に見えたに違いありません。
二人の戴冠式
ドラクエ11は、物語中盤、時のオーブを破壊することで疑似タイムスリップを経験することになります。
その結果、巻き戻った分のイベントは実質無かったことになるわ、前の世界の仲間と今の世界の仲間が正確には別人であるような不安感が残るわ、同じようなイベントを繰り返し見る必要があるわ、いろいろ賛否両論ですが、ただこれだけは言える。
マルティナと王のイベントはいいよ!と
デルカダール王国…強く美しい国じゃ。ウルノーガの手中にあってもゆらがなかった。マルティナよ…苦労をかけたな…
最後の戦いに向かう直前、デルカダール王のイベントが発生。
ところでドラクエ11最大の謎は16年にわたる「魔王ウルノーガ王朝」です
その疑問に対する王の明確なアンサーはこれだ!
デルカダールはゆらがなかった
統治者は誰でもいいってことだね。豊か!
…わしは…わしはなぜ。16年前のあの日、お前のそばにいてやらなんだのか…
ウルノーガに心を食われ失った16年の月日。愛する娘の成長する姿を思いえがくことさえできなんだ
王のしゃべり方が気にならなんだと言えば嘘になるんだ
本来なら、お前は戦いなど知らず、おだやかで幸せに満ちたこの王国の姫として生きるべきだったのだ。
お前はもうじゅうぶんに戦った。今からでも遅くはない。デルカダールの姫として生きてもよいのだぞ?
この言葉が聞きたかった。
ファミコンのドット絵時代と違い、リアルな表現方法が詰め込めるようになった今、ゲームだからという理由で、簡単に命をかけたり殺し合ったりする世界観は納得できないですよね
デルカダール王(名前はモーゼフ)が、魔王に心を乗っ取られて、あわや勇者死亡という危機を招いた責任を感じていないわけがないし
16年も偽物の王を据えておいて、すんなり王職に復帰しましたよーというデルカダール民やお城関係者置き去り感が凄い現実離れが、少し緩和するイベントです
この16年、マルティナは守るべきものを探す旅を続けてきました
…つらいこともたくさんありました。わが身の悲運を哀れんだこともありました。
これど、その日々の果てにかけがえのない、大切なものを見つけたのです。
お父様にロウさま。愛する祖国。優しき民たちと信じられる仲間たち。…そのすべてが生きるこのロトゼタシア
私は守るべきものを見つけたのです。…誰のためでもありません。私は、私の大切なものを守るため戦うのです
くわっの顔
①娘が主体的に生きる大人になっていたことに驚く父
②言葉を選ぶ頭の良さに驚いた年配者
③たぶん自分より優れた統治者になるでぇ!と評する上司
のような意味が込められていると思われます
マルティナよ…強くなったな。
これは…お前が女王になる日に渡そうと思っていたのだが、今がその時のようじゃ。受け取ってくれ。
マルティナの母が残した「おうごんのティアラ」を贈った王
ではマルティナよ。行っておいで。すべてが終わり、この世界に平和が訪れたなら、共に暮らそう。このデルカダール王国で
…はい!行ってまいります!お父さま!
こいつを飲むと調子がいいんだ
いいシーンが全ドラクエの中でベストテンに入るであろうハンフリーの名言はこれだ
こいつを飲むと調子がいいんだ
「ハンフリーは たいしゅうの めんぜんで きもちいいくすりを のみほした!」
※こいつを飲むと調子がいいんだとは
ドラクエ11に登場する武闘家ハンフリーの名言。グロッタの闘技場イベントでさっそうと登場し、頼もしい強さと余裕ある立ち振る舞いから、兄貴キャラとしてのポジションを確立しそうになるも実はただのドーピング誘拐野郎。通常、反社会的キャラクターは断罪され然るべきだが、彼の場合、孤児院の子供達のためという純粋すぎる動機や、営業に疲れたサラリーマンが立ち飲み居酒屋で発したような解放感あるセリフまわしが人気を博し、ただの小悪党に留まらない評価を獲得することとなった。
闘技場で勝利し、トロフィーを手にするも「うっ…!」
崩れ落ちるハンフリー!言わんこっちゃない感
ハンフリーが薬に手を出した理由は、孤児院の子供たちを守るというタイガーマスクドされた理由のためなのでしょうがない許す
だがハンフリーが実は魔物と取引をしていて、グロッタの闘士たちを養分にしていたことが判明。おのれ許さん。
これが目を開いている状態の貴重なハンフリーですね
昨今の個体はほぼ目を閉じている状態なので、目を開いているハンフリーは絶命寸前です。
その原因は分かっていませんが、一説には温暖化が影響しているとか、大陸から持ち込まれた捕食者による生態系の変化ではないかと考えられています。
彼が行ったあらゆる悪徳行為はあっさりと許され、引退試合で巻き起こるハンフリーコール!降り注ぐハンフリーを浴びんな
とツッコミを入れましょう。
ハンフリー!ハンフリー!ハンフリー!

静かに去るハンフリーの背中。彼ならば、きっと新しい伝説をつくってくれるに違いない。
プレイヤーにそう思わてくれる、強烈なキャラクターでした。
勇者が出会ったいろいろな奇跡
最後は、マルティナ関連イベントということで、ユグノア滅亡の日の記憶
マルティナの子供時代が描かれています。
赤ちゃんってこんなに小さいのね。ちょっと触ったら壊れちゃいそう…。エレノアさま。しよに触っていい?
ふふ。しよったらマルティナのこと好きみたいね。遊んでほしいって言ってるわ。
勇者とマルティナが初めて出会うシーン
血の繋がりはありませんが、姉弟にしか見えません。
勇者とマルティナの関係性は作中ほとんど出てきませんが、マルティナが勇者をどう思っているのかを示す、貴重なシーンなんではないかと思います
その後、アーウィンは赤ん坊の勇者を連れ4大国会議へ。ここからオープニングムービーに繋がる。
アーウィンは地下道を逃げる際ウルノーガに倒され、デルカダール王が入れ替わったことを知る人間はいなくなり・・・
マルティナは赤ん坊を抱いて逃げるも失敗。苦難の旅路へ
死んだと思われた赤ん坊勇者は、遠くデルカダール地方にあるイシの村近くでテオに拾われ
16年の時を経て、成人の儀式に臨むのだ!
ちなみに、ユグノアとイシの村の距離感はこんな感じで
ざっと見ただけでも2つの大きな渓谷を超え、平原や森超え、海に向かう支流をかわし、テオがいた森まで到達する必要があり
というか世界地図を見る限り、ロトゼタシア世界最大の長さを誇る川だと思われ、現実世界最長のナイル川が6,650km、仮に世界の大きさが10分の1程度だとして、この川は665kmと仮定
その半分を流れたとして、赤ん坊はゆうに300km程度は旅したものと思われ
とても「カゴが流された」レベルではないことが分かります。
聖竜の導きなのかは分かりませんが、途方もない奇跡が重なり、勇者の冒険はスタートしたのでした。
終わりに
ドラクエ11感想記事はすべて終了しました。最初の感想は2017年の10月なので、オフラインゲームなのに2年半も書くことがありとても楽しかったです。
当時5歳だった我が家の娘もすでに7歳。「王様はなんで悪い奴だったの?」という唐突な質問をできるレベルに成長し、また、それに対し父も「魔王ウルノーガが変身してたからなんだよね」と即答できるレベルに成長しました。
きっと、娘が大人になってもドラクエ11のことは記憶に残り続けるだろうし、そんな共通の思い出を持っていることは何て素晴らしいことなんだろうと、いちゲーマーとしてドラクエに感謝です。
そうこうしているうちにドラクエ12の足音が・・・まだ噂話レベルかな!
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しよさん こんばんは~ソーマです。
返信削除「ハンフリーはこうしゅうの めんぜんで
きもちのいいくすりを のみほした」
大爆笑しましたq( ̄▽ ̄)q
11をクリアした息子にも記事見せたんですけど
同じ場所で大爆笑(((((^▽^)
しよさんのセンス最高です。
これからもブログ楽しみにしています!
ソーマさんこんにちは
削除親子で楽しんでもらえてよかったです
ドラクエ11は公式の開発陣裏話でテキスト量が相当減らされていることが明らかになっていて、闘技場ももっと色々な設定があったと思うんですよ
それにしてもハンフリーは強烈だなと。仲間にしたいサブキャラでも上位に食い込んでたような気がしますし、脇役の個性が強いゲームはいいなあとさすがドラクエだなと思います
またよろしくお願いします!