ファイナルファンタジー15が発売されて約2ヶ月、私もようやくクリアしたので、振り返って感想を考えてみると
「最高のゲームに出会ってしまった」
という思いです。
冒険できる
これまでのゲームは、世界を自由に冒険したいと思っても、ハードの表現力が限られており、スーファミ時代のドット絵、プレステ時代のポリゴンなど、時代の最先端技術をもってしても表現しきることは不可能で、
プレイヤーは本を読むのと同じように、ストーリーやキャラクターなど自分の創造力をかきたて、技術で足りない部分を補完し楽しんできました。今でもその方が好きという人もいます。
でも作り手としては、ファンタジー世界の、現実とは違う夕焼けの美しさ、夜に出歩くことの恐ろしさ、魔法の偉大さ、モンスターの日常生活、思い描いたファンタジーの世界をそのままプレイヤーに提供し共有したいと思うのが普通で、また、そういうプライドをもっているからこそ、ゲームは進化を続けてきたはずで、
少し前の「スカイリム」は、圧倒的なワールドマップの表現力、自由度でもって、誰もが夢見たファンタジー世界の表現が可能であるということを証明してみせて、世界に衝撃を与えました。その潮流がRPGの主流となった今、
FF15は、遅ばせながらも、その大きな流れのど真ん中に登場した意欲的なゲームで、日本の「RPGらしさ」をつぎ込んだ、まさに和製オープンワールドというのにふさわしいものになってました。
「こんなにJRPGっぽくて外国で売れんのかこれ」
と心配になった位で、具体的にどんなところかといいますと、
一般人には攻撃できない
子供に見せらんないですよね。
外国のオープンワールドには、そういう大人の事情で子供キャラがいませんが、FF15は和製らしく、一般人は完全に無敵。
フィールドは全てシームレスですが、目に見えない町の境目を越えた瞬間、武器も触れなくなりますし、車も車道以外は走れない、一般人が車道に出てくることは決してない。
車は最終的に空を飛ぶことができるんですが、飛んだまま町に突っ込め・・ません。
目に見えないバリアで空中でふわっとUターンさせられます。突っ込むなら荒野にどうぞという気遣いか、荒野に突っ込むと無慈悲にゲームオーバーにです。
素晴らしい。安心してプレーできますね。
キャラクターが若い
ノリも若く、洋ゲー特有のクールな雰囲気とか、ウィットに富んだ受け答えとか、皮肉たっぷりの切り返しとか、そんなのはなく、
「回復系アイテム買っとけよ」
「お前は俺の母親か」
ずっとこんなおしゃべりをしていて、キャラクターは人口知能のAIが状況にあわあせてランダムに喋るらしいのですが、
「ここ暑いな」
「ジャケット脱いだらどうだ、貧弱だから見せられねえか」
「違うし、腹筋割れてるし」
みたいな、
若者かよ という雰囲気で
洋ゲーはほとんどがヒゲのオッサン、略してヒッサンの一人旅ですが、FF15は常に仲間と一緒で、どこへ行っても声をかけあっていて、これぞFFだなと、安心してプレーできますね。
ストーリーが壮大
「こんなにイベント長くて大丈夫か」
と不安がよぎったんですが、トロフィー機能を見てみると、はやり、最終章までクリアしている人は少ないようで、ストーリーも王の役割、六神、星の病など、JRPGらしい壮大な世界観をもとに話が進みます。
スカイリムなんて、ラスボスのドラゴンをあっさり倒して、あんまり弱いもので、攻撃をじらしてボス戦を楽しむという不思議な状態なんですが、しかも終わってすぐに何もなかったかのように冒険を再開できますが、FFはちゃんとスタッフロールまで見ないと再セーブできず、盛り上げる演出に余念がない。
慣れ親しんだムービー多めの方が、話が分かりやすく、安心してプレーできます。
他にも素材の面倒臭さとか、JRPGらしさが盛りだくさんなんですが、外国でも受け入れられているようでよかった。欧米ユーザーも、JRPGの全てが嫌いなわけではなく、ひとえに自由度がないという不満につきるんでしょうか。
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FF15の感想とおすすめ
私は寄り道しながらクリアするのに50時間かけ、全く飽きてこないので、やりこみ要素も全てやってみようかと思っていて、しかも、アップデートのロードマップも公開されており、色々な追加要素もあるみたいなので楽しみでしょうがないんですが、なぜこんなに楽しいと感じてしまったのか。
それは仲間の存在につきます。
FF15の世界で描かれているのは「男の友情」ですよね。
なぜか女性向けみたいな評価も見かけますが、完全に男性向けで、むしろ「女子は入んな」という空気すらあります。
男性は誰でも経験があると思いますが、二次性徴といわれる年頃まで、「女子は敵」みたいな文化があって、それは女子の方が成長が早く、馬鹿なことや危ないことをやりたがる男子とはそりが合わないわけで、そして、その頃の男子は、同じ男子のことがめちゃくちゃ好きなんです。
そんな思春期の微妙な心情をノスタルジックかつさわやかに描いた「スタンドバイミー」という映画があって、
スタンドバイミーは、町の少年4人が、ある日、死体があるという噂を聞きつけて、警察より先に見つけてヒーローになろう、みたいな動機で旅をする内容で、女性が全く共感できなさそうな内容なんですが、
男にとってそれはわかるわかるという内容で、大人になるとともに失われていく感覚です。
そのスタンドバイミーの曲がテーマになっている所からして、製作者の思いは仲間との絆、旅に焦点が当てられていて、FF15はそういう少年時代の、不安定でモラトリアムな心情を男4人の旅を通じて感じるようになっていて、ゲームをプレーしているうちに、少年時代の感覚を思い出し
「わかるわ」
と共感せずにはいられません。
初めて自分たちの力だけで炊事し、寝泊まりしたキャンプ、火を起こしてものを焼くという非日常的な行為、自然を相手にした危険な遊び、魚を釣り上げた時のにおいと感動、国や時代が違っても男性ならすぐに理解できるはずです。
仲間たちは、メインやキャンプで発生するサブクエを進めると感情移入できるようになっており、例えば
グラディオは世襲で代々王家に遣えることに葛藤を持っていたことを明かし、それを乗り越えたことを告白しますし、イグニスは、早朝に料理を手伝っていると昔話を始めたりします。
プロンプトは、バトルでグラディオに褒められると何故か謙遜するというくだりがあり、それは何故かなと思ってたんですが、後から、出自や能力で常にコンプレックスを持っているということを明かしたりします。
グラディオが突然、
「最高にうまいカップヌードルに、最高にうまい食材を乗せたら極上になると思わないか」
とか言い出すんですが、この緊急事態に
何考えてるんだこのマッチョと
でも現実って世界の危機であっても、日常生活してますし、寝て食べて、娯楽があるわけですから、リアルだなと感じ、
とにくかFF15はそんな、集まればけんかが始まり、いつの間にか仲直りしていて、傷つけあって、協力して、大人になると忘れていった男の友情、そんな心の奥底にある何とも言えない感情が揺さぶられてしまう名作でした。
数年前、ライトニングリターンズFF13が発売される前、ファミ通か何かで、FFはスカイリムと勝負する、とあったんですね、それ見て期待値上げてからライトニングリターンズをやった時、日本のRPG正直やばいなと思ったんですよ、面白いけど、面白いけど、勝負できてる・・か?
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