アンラベルは、毛糸から生まれた妖精のような主人公「ヤーニー」が、家族の思い出を探して旅に出るという話で、まさに思い出のヤーニーとでもいう内容。
ゲームシステムは、簡単に言うとマリオのような横スクロールアクションですが、ボタンで操作できるアクションは「糸を投げる」「結ぶ」「引っ張る」「つかまる」ぐらいなもので
それをステージに散りばめられたポイントに引っ掛けたり、押したりしながら進む方法を探していく謎解きパズルゲームになっています。
各所に凝ったギミックが配置され、シンプルながらも奥深い謎解きは結構難しく、行き詰まると現場をうろうろして30分ぐらいさ迷ってしまうというやり応えは十分のゲームです。しかも安い。
プレイ時間は、全部で12のステージがありますが、1か所30分程度でクリアできますので、終わらせるだけなら5時間から6時間程度、やり込むなら10時間程度といったボリュームになっていて、毎日ちょっとだけやりたい人にもおすすめ。
スポンサーリンク
ヤーニーがかわいくない問題
初めて見た時、正直この2足歩行の猫のようなヤーニーという主人公かわいくないなと思ったんですが小さい身体で、ヒマワリに糸をくくりつけ、車のドアノブを引っ張り、ランタンに隠れて吹雪の中を進む姿を見ていると、だんだんと愛着が湧いてきて、めっちゃかわいくなってくるから不思議なもの。
雷にうたれても、海に沈んでも、何も言わず黙々と前進するヤーニーは、さながらドラクエの主人公を見ているようで、ゲームが終わる頃にはすっかり好きになってしまっています。
そして、このゲーム最大の特売りは、何といっても背景と音楽で
ゲームシステムは単調な横スクロールアクションにもかかわらず、美しく作り込まれた3Dマップには一切の手抜きなどなく
それどころか、世界は光と季節感にあふれ、思わず見入ってしまう景色は、どのシーンをとっても絵になっていて、まるで絵本を見ているような気分にさせられてしまいます。
北欧絵本の世界観
それもそのはず、アンラベルを開発したのは、スウェーデンにあるColdwood Interactiveというゲーム会社で、開発者インタビューでは、北極圏に近い大自然にインスピレーションを受けてこの世界観が作られていると語っています。スウェーデンはじめ、北欧文化は日本人にもなじみ深い、ムーミンや長くつ下のピッピ、アンデルセン童話などが生まれた地で、
北欧は冬場、雪で外出できないことが多いので、家の内装やインテリアに非常に凝るらしく、そういうお国柄ならではの繊細な表現が散りばめられた美しい世界が広がり
また、厳しい大自然に耐える寒い季節を経験した人たちにとって、春の暖かさはこんなにも輝いて見えるものだなあと感心せずにはいられません。
それは、「風ノ旅ビト」や「人喰いの大鷲トリコ」をプレイした時の感覚に似ていて、そういう雰囲気を持ったゲームが好きな人にも是非プレイしてもらいたいです。
世界を救わない身近なテーマ
ヤーニーの使命は、ある家族の生活圏内にある家や工場、海や山といった自然の中を歩き回り、時にはカラスに突っつかれたり、カニに挟まれたりしながら、失われた記憶のアルバムを取り戻すというこじんまりとした目的です。
それが何を意味しているのか、はっきりと語られることはありません。
でも、拾った思い出の中には、化学工場による環境汚染や、少年少女の秘密の逢瀬など、ヒントとなるようなシーンが数多くあり
そんな漠然としたストーリーをどう解釈するかは全てプレイヤーに委ねられています。
ただし、あいまいな物語が一貫して訴えていることは、家族の愛や絆といった普遍的なテーマであることだけは確かで、それは誰がプレイしても感じられるようになっていました。
「Unravel」とは、もつれた糸を解く、ほぐすといった意味で、糸の妖精ヤーニーには、家族のもつれた絆をほぐし、再び結びつける力を持っています。
サントラが欲しくなってしまうノスタルジックな音楽
横スクロールアクションに美麗なグラフィックなんて必要か?と思われると思うんですが、その美しさを際立せているのが、印象に残る音楽の存在です。アンラベルの音楽は、地元スウェーデンのコーラスグループ「クラヤ」のメンバーであるフリーダ・ヨハンソンという人がつくっているそうなんですが、
実に情緒的で切ないメロディが特徴で、全編にわたってヤーニーの冒険を盛り上げています。
ただの美麗なゲームだったらたくさん存在していますが、アンラベルは美しい景色に、透明感があり、心に残る音楽が加わって、最高にノスタルジックなゲームとして完成されています。凄すぎる。
久しぶりにゲームのサウンドトラックが欲しくなりました。
ということで、アンラベルをまとめると
このポイントに魅力を感じるあなたに是非おすすめしたい逸品です。
ちなみに、定価は1,800円ですが、販売が大手のEAですので、たまに信じられないぐらいのディスカウントで売られていることがあります。
- 絵本のような世界観
- 家族の絆といった身近なテーマ
- ノスタルジックな音楽
このポイントに魅力を感じるあなたに是非おすすめしたい逸品です。
ちなみに、定価は1,800円ですが、販売が大手のEAですので、たまに信じられないぐらいのディスカウントで売られていることがあります。
「1,800円はちょっとな!」というあなたは、ホリデーシーズンにセール情報が出ていないか、PSストアを覗いてみることをおすすめします。
スポンサーリンク
0 件のコメント :
コメントを投稿