PS4ホロウナイト感想 虫たちの王国がメルヘンだとは限らない

ホロウナイト 主人公
「虫の世界を描いたゲーム」と聞くと、みなしごハッチのような、心あたたまる世界観を想像するかもしれません。

てか私も、「ホロウナイト」をそんなゲームだと思って買いました。

ところがどっこい。実際プレイしてみると、広大でダークな地下世界で繰り広げられる、限りなくハードボイルドなアクション体験!

ゴリゴリ減っていくわりに、回復しないライフゲージ

苦労して買ったのに、効果を実感できない装備品

そもそも、何回もやられるので一向に貯まる気配を見せないお金たち

このゲームは・・リトライの気軽さに慣れ切ったヌルゲーマーに叩きつけられた挑戦状なのだ!

発売日2018/09/26
値段1,480円(DL専用)
ハードPS4、Xbox One、PC
ジャンルアクション
こんな人に
おすすめ!
己の腕一本でゲームという山道を登り切りたい人

値段は定価でたったの1,480円

PSストアのセールを狙えば1,000円切るよ!

攻略サイトを見ながらプレイしたというのに、直線クリアまで25時間かかりました

※感想ネタバレなし





むずかしいゲームとは「経験」できるゲーム

私が小さい頃は、ダブルドラゴンなどの横スクロール型のアクションゲームのほか、ストリートファイター2に代表される対戦格闘ゲーム、シューティング、パズルなど、ゲームセンターでは、様々なジャンルが流行していたものですが

それらのジャンルを超えて共通していたのは難しいということで

ものの数分で100円玉が消えていった悲しみは、今でも鮮明に思い出せます。

でも、ゲームって困難であればあるほど、クリアすること自体に価値が生まれて、その途方もない試練を乗り越えた者には、友人たちから惜しみない賞賛が与えられたものですよね
・・ところが、大人になった今、PSのゲームを新しく始める時、イージーを選択する自分がいるというか、いや難易度ノーマルにしようか悩んでも結局、ゲームの質的にはあまり変わらないよねという言い訳の重鎧をまといつつ

「大人って時間がないから」という魔法の言葉で自分を慰め、短時間で美味しくストーリーだけをごちそうさまっ!そんな快楽ゲーマーになってしまった己を省みつつ楽しんでいるわけです。
今考えると、小学生の頃は友達と一緒にそのゲームをプレイするとき、同じ目標に向かってうまくなろうと努力して、その結果、クリアなり、勝利を得ることが重要だったわけで、別にスタッフロールを見たいわけでも何でもなく、経験自体に価値を感じていました。

メーカーも、より感動的な、共感できるストーリーを提供したいというよりも、苦労して乗り越えるゲーム体験の提供に重きを置いていたと思うし、ゲームが難しいことには、やはり必然性があったんだなと思います。

ホロウナイトは、そんなハードでありながら輝いていた、子供時代を思い出させてくれる、「経験」の方の重要性を訴えるゲームです

「見た目が可愛いから、手軽にさくっとプレイできそう」

という基準でホロウナイト(Hollow Knight)のプレイを検討しているなら、やめといた方が無難ですよ!




ホロウナイトの舞台は虫の王国

ホロウナイト チームチェリー
さて、中身を少し紹介しますと、最初にゲームを起動させたら最初に現れるディベロッパー「Team Cherry」の文字

「いやアップルじゃないんかい」と毎回ツッコミを入れてからゲーム開始!

日本ではサクランボのイラストは必ず2つの果実が並んでますが、そこはオーストラリア。文化の違いでしょうか。

舞台は、美麗で現代的な2D表現でつくられたハロウネストという「虫」の王国跡地

ムシといっても、意識しなければ昆虫なのかどうかわからず、「カマキリ」「フンコロ」などの文字が出てきて初めて、ムシの世界なんだなと意識する感じ
ホロウナイト 地図 マップ
ハロウネストは、はっきりとエリアごとに分かれていて、「胞子の森」であったり「水晶山」であったり、「霧の渓谷」「涙の都」など、ただ進むだけでも違う景色が現れて飽きることがありません。

そして、網の目状に繋がったエリアを探索しているとあっという間に迷い、初見のザコ的にボコボコにされセーブポイントに戻る。これが標準です。

敗北してからもう一度訪問して、改めて敵の動きをじっくりと観察し、一瞬の隙を探し出して攻撃する。

つまり蝶のように舞い、蜂のように刺す!

虫の世界だけに!
ホロウナイト ホーネット
それを繰り返してどんどん進んで行きます。

この地下世界は、潜るほどに暗くてグロめなエリアと敵が登場しますが、この可愛らしい主人公とキャラクターのせいで、ちっとも怖くありません。
ホロウナイト 釘 鍛冶
むしろ、「シリアスなストーリーなのにコミカルなモンスター」でおなじみ、ドラクエシリーズなどに慣れた日本人にとって、とても肌に合うゲームで、登場人物のコーニファー、ホーネットといったキャラクターも魅力的だし、もっと出番を増やして欲しいと思わずにはいられません。

プレイを始めると、序盤から疑問に思うことがたくさん出てきますが、多くが語られることはありません。

やられた時に現れる主人公の影は何なのか、ホーネットが自分を敵視する理由は何なのか、ハロウネストを深く潜っていくと、真実に迫れるようになっています。




ホロウナイトのアクションには手元の技が必要


ゲームの操作感
基本的な攻撃アクションは当初「ジャンプ」と、武器である「釘」をふるうのみ

他に、○ボタン長押しで「ソウル」を消費し、ライフゲージを回復できます。

MPの概念である「ソウル」は、敵を倒した時に回復し、セーブポイントである「ベンチ」でも回復することはありません。
コミカルなキャラクターたちとは裏腹に、敵に接触するだけでドンッという鈍い重低音が響き渡り、容赦なく削られるライフゲージ(最初は3ドンで死亡)

1-1のクリボーに触れてしまった時なみのショックですが、諦めずにコンテニューを繰り返すしかありません。

ただのザコモンスターの、あまりにも不規則な動き

なのにほとんど発生しないダメージ後の無敵時間

もう進め・・ない?と思ってからが攻略スタートだ!
パワーアップ要素

ゲームを進めると「チャーム」という装備品を手に入れることができ、効果は地図上のアイコン表示、ソウルの吸収量増加といったパッシブ系スキルの他、ダメージを受けた時の反撃アクションなど様々です

途中から、ソウルを攻撃として使えるようになりますが、大まかなアクション性は最初から最後までほとんど変わらないという硬派ぶりで

最近のアクションゲームは、後半になると無限○○!とか永久○○!みたいなチート能力を獲得できるのが常ですが、ホロウナイトは違う

終盤であろうが、針山に数回落ちただけで昇天するし、ソウルはいつまで経っても回復しないし敵を一撃で葬り去る必殺技も存在しない!とことんプレイヤーに厳しい!それがホロウナイト!
ストーリーを進めると、壁ジャンプや2段ジャンプが解放され、行ける場所が増えていくという感じになってます。

絶対に覚えておいた方がいい進め方は

新しいエリアに入ったら、まず地図屋のコーニファーを探すこと

自分がどこにいるか分からないと、エリア攻略の難しさが何倍にも跳ね上がります




無慈悲すぎるホロウナイトのボスたち

アクションが難しいホロウナイトにあって、最大の難関は全てのボス戦

「ボスの部屋」と看板が立っているわけでもないので

ダンジョンをさ迷っていたら、突然閉じ込められ、ボス戦が始まってしまいます。心の準備が全くできない

ボスには様々な動きや特徴をもった強敵揃いで、初見ではまず勝てないのが標準どころか、10回、20回と挑戦することがザラです(人による)

なので、ガンガン進み過ぎてボスでやられたならば、なるべく近くのベンチを探し、そこを拠点に何回も再チャレンジする体制を整えるのがポイント
体制を整えるとは、なるべくソウル満タン状態にして、探索の地図パッシブ系チャームを外して戦闘系にするといった作業ですね

何回も何回も挑んでいると、ボスの動きにはパターンがあることが分かり

法則で動いている部分と、ランダムで動いている部分の判断がつくようになってきます。

そこまで理解して初めて

パターン1の動きにはヒットアンドアウェイで2撃!とか

パターン2の動きは小刻みに左スティック!とか

ファミコンのゲームかと思わせる、手元操作のテクニックでクリアを目指します

ちなみに、私は「監視塔」のボスである監視塔の騎士に、軽く100回はやられたかも!
ゲーム内の能力向上ではなく、自分自身のスキルを磨く感覚は懐かしくも面倒くさく、令和の新しい時代にこんな体験ができるとは思ってもみませんでした。

そうして、ちょっとずつ前に進めていき、ボスを撃破した時の喜びもひとしお

何回リアルに叫んだか分かりません




ホロウナイトはどんな人におすすめか

ホロウナイト 黒卵の神殿
とにかく難しかった印象のホロウナイトですが

劇的な変化ではないにしろ、主人公を強化する育成要素も面白いですし、初めてのロケーションに臨んだ時のワクワク感も凄く

何と言っても、洗練されたアニメ調の2D表現もカッコよく見惚れてしまいます。

難易度高めのゲームをじっくりプレイしたい人にもおすすめですが、ファミコン時代のゲームにレトロピアを感じる人にもおすすめです



※ホーネットを主人公にした続編が出るそうです




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