圧倒的なパワーと包容力。
村人からの厚い信頼、広い人脈を築く社交性、コミュニケーション能力。
サンタローズにセカンドハウスを構えて召使いの雇用を続ける財力。
「はい」「いいえ」どちらを選んでも、結局は「はい」の行動をとらされてしまう鈍感力。
知り合って間もないにもかかわらず、村の重要人物であるマーサを連れ出して強引に結婚してしまう奸雄力。
装備品といえばマッスルボディーをさりげなくアピールできる皮の腰巻きのみ。
小学生の頃ドラクエ5をやって
「パパスは何でもできて頼もしいなあ」
と感動しました。
以前、何かでパパスのレベルが27なので、年齢も27歳ではないかという説を見たんですね。
世界観とか主人公の年齢とか考慮して、なかなか説得力のある説明だなと思ってたんですが、それより何より
パパス年下かよ
と衝撃を受けました。
27歳はまだパパスじゃないよアニスだよ
いつの間にか現実の自分がパパスの年齢を追い越していようとは、果たして今の自分が当時のパパスのようにパパスることができているのか、自問自答せずにはいられません。
冷蔵庫前で
「ユンケルのフタ硬っ」
と言ってる時点で既にパパすれてないと確信してます
パパスは素手で鉄格子をこじ開けますからね。
パパスの人生
ひとえに王族ということがあると思うんです。
小学生の頃考えていたドラクエの王様たちは勇者に頼み事をしたり、数いる迷惑NPCキャラの一人でしかありませんでした。
大人になってから考えると、王様というのは恐らく、
モンスターの襲来から町を守るため夜通し警戒を続け、不安定な税収から教育、社会保障、城壁などインフラの充実に努め、町民のあらゆる不満をうまく治めながら信頼を勝ち取り、隣国とのバランスを保ち、どろどろの国内政争を勝ち抜き、
類まれなるリーダーシップを発揮し、寝る間を惜しんでこれらの課題を解決しながら、安定した姿を維持しているというのが現実的ではないですか
命がけの旅に出る勇者への餞別がたった50ゴールド、という有名なシーンがありますが
財政規律に日々頭を悩まし、多忙を極める王様にとって
「魔王を倒すと言って来城したレベル1の町民に、直接会って餞別をくれるなんて神」
むしろこうなります。
パパスも幼少の頃から王子として育てられ、町民に国を治めるのにふさわしい人物として認められるようあらゆる努力や逆境を経験させられ、
事実、20歳そこそこで即位するわけですから、前王は何らかの理由で早死にし、若くして重責を担うこととなったパパスの苦労は相当なものだったはず
私のように
「よ~し、今日できることは明日やろう」
みたいな発想ではとても務まりません。
マーサが魔物にさらわれた時、王として捜索隊を組織、派遣すればいいと思いますが、略奪愛で自信家で責任感のあるパパスですから、王としての職責と民の期待を全て投げうち、妻を探しにいきたい、また探しきることができるのは自分しかいないとの欲求にかられたのではないかと推測できます。
そこで、弟のオジロンに国政を全て託し、産まれたばかりの主人公を連れて国を出ました。
0歳~1歳の赤ん坊を連れて旅に出るとはただ事ではありません。命がけです。
信頼できる召使いのサンチョもやむなく同行させました。
0歳の赤ん坊が政争に巻き込まれることを避ける意図がありました。
主人公は王族ということを知らされずに育っていることをみても、パパスは国に戻ることはっても、民の期待を裏切り、一度弟に譲った限りは王位に戻る意志はなかった。
妻の手がかりを探すため、グランバニアから最も遠い地方の一つであるサンタローズにたどり着き、家を構え、新たな生活の拠点を着々と築き上げ、周辺の捜索と有力者との信頼関係をつくることを始めました。
サンチョ母さん、パパス父さん、主人公という暮らしは4年続きました。
村人との信頼関係はこの4年間に築き上げられており、パパスが村に帰ると、ロードオブザリングのガンダルフばりに歓迎されるまでとなります。パパスすごい。
主人公が4歳の時、サンチョを置いて再度旅に出ます。
4歳の子供といえば、急に社会性を身に着け、自立を始める年でもありますので、サンチョの世話がいらなくなったということです。
そして2年後、主人公が6歳の時、ついに妻救出の手がかりとなる天空の剣を持ち帰ることに成功しました。
旅の終わり
パパスはラインハットに向かう途中、主人公に向かって、
「この旅が終わったら、父さんは少し落ち着くつもりだ」
と言います。
パパスは城を出て苦節6年、天空の剣という成果らしい成果をようやく手に入れ、心の底からほっとしたのではないでしょうか。
アルカパ村でパパスが風邪で寝込むという描写があって、
子供の頃プレイした時は
「パパスが寝ている今が冒険のチャンス」
としか考えていませんでしたが、大人になってよく考えると、鉄の意志を持つ男パパスが風邪で休むとは考えられないですよね。
グランバニアを裏切り、サンチョを故郷から連れ出し苦労をかけ、手がかりのないまま必死に妻を探し、休むことなく6年間我慢を重ね、様々なプレッシャーに耐え抜いてきた緊張の糸が、ほっとした拍子についにぷっつりと途切れ、倒れてしまった。
同時に、このままでは勇者と天空の武具を揃えるまでには、あと数十年かかるという絶望感から、何とか違う方法を模索しなければならないと思い、
ラインハットの依頼を済ませたら、サンタローズに腰を落ち着け、旅をする以外の方法で、情報取集に努める、という作戦を考えていたのではないでしょうか。
どこまでも不屈の精神です。
パパスの旅は残念ながらここまでとなってしまいます。
激動の人生の中、周囲の期待に応えたいと思いながら、ある時は悩み、しかし一貫して自分の生き方を貫き通しており、やり残したことはたくさんありましたが、後悔はしていなかったのではないでしょうか。
私もパパスより年上となり、親となった今、彼の気持ちが少し理解できるようになり、
「パパス頼もしいなあ」
から
「パパス努力してたんだなあ」
とそんな目で彼を見ることができるようになりました。
そういうことで、今年の目標は
ユンケルのフタを一瞬で開けることにしたいと思います。
ユンケルのフタを一瞬で開けることにしたいと思います。
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