FF15小説版あらすじと感想 これが…ルナフレーナ?

ネタバレ強度:特大

2018年ころの話、FF15でその後計画されていた全てのダウンロードコンテンツの開発中止が発表されました。

しかし、そのままで終わらないのがスクエニクオリティ。FF15は動的なゲームから静的な小説へ、残りのDLCは全て小説で出すと発表される!本気なのか・・?本気だった!

バッドエンドが大嫌いで真エンドを求めてさ迷っているとか、ルナフレーナ推しなのだとかそういうあなたにはぜひ読んでもらいたい。





1 聖者の迷い(エピソードアーデン)あらすじ

ノクトたちの旅から2000年前、ルシス国が誕生する前の話。人や動物が狂暴化する「シガイ」化現象をめぐり、感染者を直ちに殺すべきと主張する弟ソムヌスと、全ての人を救うべきとする兄アーデンが激しく対立している。

神託によって、アーデンが神に選ばれた王になると知ったソムヌスは、正義感から兄の抹殺を決意する。しかし、シガイの力を吸収したアーデンは不死の体となり殺すことができず、神影島の地下深くにルシスの禁忌として封印した。

それから2,000年後(ノクトの旅から45年前)、ニフルハイムの科学者ヴァーサタイルは、シガイの力を戦争に活用するために封印を解く。アーデンは、神がつくった理不尽な世界への復讐を決意したのだった・・




アーデンとソムヌスの確執の理由

ひとこと感想・・バハムートが下劣

とにかくゲスい。漫画の胸糞キャラで「虫けらを殺すのに罪悪感を感じる必要があるのかぁ!?」みたいな敵が時々いるが完全に奴

なのでラスボスが剣神バハムートだとすぐに分かる。なるほど、ゲームに六神があまり登場しなかったのは、バハムートのキャラを表に過ぎると「こいつ倒せばいいじゃん」とプレイヤーにネタばれするからなんですね

ノクトが死ぬエンディングを最後に据えるためには、剣神はあくまでも遠い遠い存在にしておく必要があったようだ

さて、ゲームではアーデンとソムヌスが対立している理由はほとんど明らかになっていなかったのですが、小説では中身が丹念に描かれていておもしろい。

2,000年前のアーデンはピュアな理想主義者であり、たったひとり、神から与えられたシガイを吸収する力で人を救う生き方をしていて、それを支えているのが神凪のエイラ。その聖人ぶりがいかんなく発揮されている。見ていてつらい
一方、弟のソムヌスは全ての感染者を救えない以上、シガイ化した人をただちに殺し、感染の蔓延を防ぐことに重きをおきたい現実主義的なリーダーで、ただの悪人というよりも、冷徹で媚びない公平な統治者であることが匂わされている。どっちかといえばこの手のキャラは兄だろうに何故なのだ

この二人は、同じ野村氏作品でいうとキングダムハーツのソラとリクのような関係で、どちらが良いか悪いかということではなく、目的に達しようとする手段が違うだけで、何とか傷つけあわずに穏便に済ましてくれねえかなと淡い希望を抱きつつも、分かってはいたんだけど、ゲームと同じく残酷な結果になってしまったことに世の無常を嘆かずにはいられない

現実世界でも、良いことを続けていれば認められるはずだという理想主義的な生き方だけでは、悲しいかな誰にも認められないのと同じで、ソムヌスは自分の欲望のためではなく、ルシスのことを考えてピュアな心の持ち主アーデンを排除してしまうのでした。
闇落ちしてしまったアーデンにとって、2,000年分の復讐を果たせる唯一の相手がノクティスだと本編で分かって入れば、それを超えて成長していく主人公の魅力は3倍増しだったのにと思うともったいないなと

あと、どう考えてもエイラが死んだのは神のシナリオではなく偶然の出来事だと思うので、実はバハムートが描いていたシナリオは、王となったアーデンがシガイ化し、それをソムヌスが倒すぐらいの感じだったんじゃないかと思います。




ルシス王国が誕生する前の統治体制

ところで、歴史的にソムヌスは初代のルシス王らしいのですが、ソムヌスがアーデンに兵士を差し向けたりする一連の描写からは、既に国を実質統治しているように見えるのはなぜか

詳しい説明はないので想像するしかないですが、本文に

各領主の間で、チェラム家を盟主として擁立する声が高まるのと同じころ、神々もまた王となる者を選定しようとしていた。絶対的な君主として、史上初の王国を築く。その候補はふたり・・。

という描写があるので、リード地方のある共同体に貴族が治める支配体制があって、その中でも特に有力なチェラムの発言力が強まっていた時代に、彼らを国のリーダーにまつり上げようとする機運が高まっていて

そして同時に、神の声を聞くことができる巫女(神凪と呼ばれる以前)は、神から人間の王が指名されるという神託がなされていたという感じで、世界史的に分類するならソムヌス以前は「寡頭制ルシス」、ソムヌスが即位してからは「王政ルシス」だと思われます。
(↑FF15作中にほとんど存在しない2,000年前の町の様子が分かる場面。エピソードイグニスより。古代オリエント風の世界観を持っているようにも見える)

クリスタルの前でアーデンを殺したと思ったソムヌスは

王の権限により宣下する。今、この時、チェラム家改めルシス王国の建国は成った。以後、ルシスに歯向かう者に命はないと心得よ

と言っていて、当初、ソムヌスはアーデンを亡き者にした後、神凪の神託以外で王位の正当性を主張することは不可能だったはずで、だけど結果的に神凪は死に、アーデンがクリスタルに拒否されたのを見て、とっさにアドリブをきかせて神を無視した建国宣言をして全てを丸く収めたということらしい。

それでも、神であるバハムートは後にソムヌスを王と認めているのはなぜか・・それは最後に秘密が明らかになる




ニフルハイムのアーデン宰相の秘密

期待していたニフルハイムでアーデンが宰相に上り詰める描写は残念ながらなし。やはり、いきなり偉くなっている

三部作構想の段階では、アーデンへの共感を高めるために、帝国での生き様が描かれる予定があって、闇落ちしているにも関わらず、誰かと心通わせてイズニアという名前を受け継いで、人類を憎んでいるんだけどノクトとの決戦の時、束の間の温かい記憶がよみがえり、一瞬のためらいが隙をうんでそれがアーデンにとっての致命傷となり「二千年待ってこれかぁ」と言う妄想を勝手にしている
ゲームにはなく、小説に出てきた新たな要素は、皇帝イドラが不老不死に興味を持っており、アーデンはそれをエサに、膨大な国費を出させたらしいこと、あとは「対をなす世界」という概念か

アーデンの魂は、クリスタルに拒絶されたことで「対をなす世界」にとらわれていて(意味は分からない)、だからアーデンは不死になっていると。バハムートの魂もそちらにあるとのこと

よって、バハムートを倒すには、対をなす世界の魂も同時に叩かなければならない。

他の五神の魂があるのかどうかは描写がなく、アーデン以外の人間の魂があるのかどうかも分からない。理屈で考えてもしょうがないことばかりだけど、「あの世」に近い、肉体を超越した世界だが、ただ誰もが行けるわけではなく、クリスタルという神の神秘を通じてのみアクセス可能な何かである

作中設定でも特に重要な要素ではないのだが、昔「映画ドラえもん魔界大冒険」のラスボスの魔王が無敵で、その理由が実は心臓が宇宙に存在していて殺せないみたいな設定があり、ほぼそんなノリなのかなと思います

小説では、都庁で待つアーデンのもと現れたのはルナフレーナでした。

ここまではゲームの復習だったけど、いよいよifエピソードが開始されるとあって、すんごいワクワクしました。




2 終わりの始まり(エピソードアラネア)あらすじ

2部の主人公は本編の名脇役、エピソードプロンプトで主役級のアラネア・ハイウィンド

あらすじ・・帝都グラレアに戻ってきたアラネア率いる空中機動師団。ちょうどその頃、アーデンが呼び出した巨大魔道兵器が何かめちゃくちゃしてる最中だった!

帝国に命をかける義理もないただの傭兵風情、しかし、弱きを踏みにじる魔道兵器を野放しでただ逃げたとあっちゃあ目覚めが悪い。さあ、以前から気に食わねえアーデン宰相に一泡吹かせる最後のチャンス。俸給分のご奉公へいざ出陣だ!

ひとこと感想・・アクションは一番面白い

ゲームでやりたかったこれ

ダイヤウェポンという巨大人型魔道兵器が帝都グラレアを飛び立つ時、アーデンが町内放送で「帝国の皆さん、大変お世話になりました。本日で、帝国は終了です」というおふざけをかましている

なるほど、真の王を誕生させる目的を達せそうなので、アーデンはこのタイミングで人類を滅ぼすことにしたらしく、巨人はテネブラエへ、その他のシガイは帝都へぶちまける作戦です。
本編の時間軸的には、帝都と呼ばれているがその実、延々と続くただのうす暗い廊下をひたすら歩かされていたあの時、外ではダイヤウェポンというド級魔道兵器とアラネアが戦っていたのでした。熱い。




アラネア編の気になったセリフ

【その1】
アーデン「ま、どのみち陛下は世継ぎを残すことができなかった。彼は不死を願ったよ。永遠に皇帝であり続けようとしてね。だから魔法をかけてあげたんだけど残念な結果になりそうだね」

本編ではこの流れで、一瞬だけ出てきたシガイ皇帝の出番となる。ごめん私も雑魚と区別がつかなかった。

【その2】7
アラネア「それより、うちら、もう退役したいんだよね」

アーデン「ふうん?ま、いいけど。なんで辞めたいの?」

アラネア「あんたのことがキライなの」

アラネアの一人称は「あたし」だったような気がするが「うち」でもある

こういう疑問を持った時、流行のAIはすぐ答えを出してくれるのでは?と思ってグーグルのBardに質問してみたところ

アラネア・ブルックスワードの一人称は「私」です。彼女はファイナルファンタジーXVのキャラクターであり、帝国軍のメンバーであり、王国軍の生き残ったメンバーを狩る任務を負っています

誰やねん

王国軍の生き残り(ノクトたちのことか?)をヒューマンハントする至高の義務を負った孤高のブルックスワードって誰やねんっ
途中、本編ちょい役のロキも出てきて、一般人の少女をアラネアに託して玉砕するという見せ場もある。また、巨大ボスに立ち向かうため、アラネアの魔導槍シュトースシュペーア(槍の名前)が形状を変えながら戦う様は、文字で読んでいてもわくわくします。

帝国の揚陸艇とやらはあの真四角の箱だと思うんだけど、脳内では完全にセッツアーのブラックジャック号で、ビッグスとウェッジの魔導アーマーはティナが乗ってたごつい形状のやつで、どこからともなくエドガーの「かいてんのこぎり」の効果音が聞こえてきた・・気がする帝都決戦

とにかく、魔導アーマーの投てきからコアにぶっ刺したシュトースシュペーアのリミッター解除、からのダイヤウェポン爆発四散でめでたしめでたし!
サイドストーリー的なエピソードアラネアですが、ストーリーに関わってくる大事な部分は、保護したソルという少女の存在です。

数年後、ルナフレーナは、ソルと接することで、神凪でありながら神に背き、ノクティスを助けるという選択を決断することになる。そして、アラネアは母になった。




3 自由への選択(エピソードルナフレーナ)あらすじ

本編のオルティシエで力を使い果たし死んでしまったナフレーナ。でもサッと生き返る。ファンタジーだもの。

小説では兄レイヴスが出てこないが、生きていれば狂喜乱舞したに違いない。

エピソードイグニスで見た牧歌的な別れはそれはそれとして、神から新たな使命を与えられたルナフレーナのサバイバル生活が始まった。

世界がシガイの力で覆われ、朝が訪れなくなった世界で、自由に生きるソルと出会う。

神凪としての使命を果たすことだけを考えて生きてきた彼女に、生まれ変わる前には考えたこともなかった新しい感情が芽生え始める・・

ひとこと感想・・ライフイズストレンジ+ラストオブアス
小説は本編の最も切ないシーン「さようならノクティス様」から始まる。ルナフレーナが沈んでいく映像がありありと思いだされ、悲しい気持ちになる。

内容は文明が崩壊した世界をサイドカーのバイクで旅して、成長して、友情も深め合うサバイバル・ロードムービー。要素盛りだくさんだが登場人物が少ないのでほとんどがルナフレーナとソル二人のやり取りで構成されている。

そして人間がおとんどおらず、シガイ化した生物だらけの、さながらゾンビゲームの世界観。好きだ。

アンケートをとれば、読んだ人の80%は「エピソードグラディオじゃなくてこちらを作った方がよかった」と回答するに違いなく、主題歌のスタンドバイミーに込められた思いがぜんぶ入っていると感じられるほどである。(エピソードグラディオでよかった・・0.3%、エピソードシドニーを作った方がよかった19.7%)

例えば冒頭、ソルとルナフレーナがサイドカーを押して歩くシーンが登場する。文字だけの小説なのに、その一シーンをとってもFF15本編を形作っていたクルマ、友情、冒険のシンボルが怒涛のように押し寄せる!作り手側の特別な思いがにじみ出ているではないか



これが…ルナフレーナ?


夜明けが来なくなった世界から10年後。最初、ルナフレーナが剣神バハムートの力によって生き返ったり、シガイを吸収する力を持っていたり、色んな設定が次々とオープンになっていくかたわら、とりあえず走るシーンしか目に入らない。

それもそのはず、ルナフレーナといえばゲーム発売前から白いドレス姿の生態しか確認されたことはなく、寝ても覚めても、徹夜明けに近所のコンビニに行くときでさえ白ドレス。FFの直立不動ヒロインの二つ名を欲しいままに、長い間それが真の姿だと考えられていたのですが、今回、その常識が次々と覆されていきます。

シガイから逃げて走ってバイクに飛び乗り、重いからといってソルの荷物をぶん投げる渾身のボケを見せつける!んな人間らしいルナフレーナをいままで見たことあるだろうかいやない。
そうか、彼女は予算の都合上、動くに動けなかっただけで、本当はこんなにも自由に走り回るキャラクターだったのか・・!

小説が静的だという認識は完全に間違っていた。事実、ゲームの方が動けないこともあるのだという真理を知った春。

軽快に走るオープニングののち、荒廃した世界でたくましく生きるソルと出会い、同年代ということもあって徐々に打ち解けあっていく二人。幾たびもの危機を乗り越え、夜な夜な使命のこと、生き方のことを語り合うロードムービー的な展開になっていく。

ソル「神様の言いなりになって、ひとりで世界を救う?できるわけないじゃん。バカみたい。そんなことができるなら、今まで誰かがやってたはずでしょ?あんたより強い人なんて、いっぱいいいたはずだし」

「それでも私は使命を果たさないと・・」

「神様を信じてるんだ」

「神凪として当然のことです」

「私も信じてたよ!あの日までは!でも全部なくなった」

「ごめん忘れて」「あたしはもう、なくさない」

八つ当たりする子供でもなく、運命を嘆くでもなく、ソルは自分自身の意志と力で人生を切り開こうとしている。それを見たルナフレーナに迷いが生じる。

私自身は、自身の意志と力で何をしてきたのだろう?「神様の言いなりになって」というソルの言葉が、抜けない棘のように胸の奥に刺さった。
ソル「もしも、あんたがこのままシガイを吸収し続けたら、いつか自我を失って、化け物になるのかな?なら、いまあんたを殺すほうが世界のため?」

「ねえ、あんたは本当は何がしたいの?」

「王様と仲良く暮らす・・とか?」

叶えたくても叶えられなかった願い。大切な人のそばにいたい。その願いを諦めて、神凪としての務めを果たし死んだ。ノクティス様と、一緒に、笑い合いながら暮らす。ただそれだけで、私は・・・




はじめての選択、そして自由への選択

そしてついに、母アラネアのもとに帰ってきたソル。しかし、ビッグスとウェッジによると、アラネアは遺跡の奥で誰にも倒せない巨大なシガイに閉じ込められてしまったとのこと

どうにもならないと悟り絶望するソル

助けに行こうと言うルナフレーナ

これ以上シガイの力を取り込んだら本当の化け物になってしまう!とソル

使命だからじゃない。私が助けたいから行くのだというルナフレーナ

自分はイドラ皇帝の孫だとカミングアウト。ルナフレーナの母親を殺し、テネブラエを支配した敵だ!とソル

そんなの関係ねえぇぇぇ!!と叫んだルーナ!いや実際には叫んでない。叫んでないけど心の中では叫んだんだ!文脈では!それは、一人の人間が大人になる瞬間の、いともありふれた決断にすぎないのだけれど、人類の夜明けにのために必要な決断だったんだ・・

何という名シーン。泣ける

本編やエピソードイグニスで、ルナフレーナは意志の強い主体的な人間として描かれていましたが、その実、ただの神様の代理人。今はじめて、ソルという友達の後押しをうけて、ノクティスを手に入れるための人生を歩きだしました。
※その後、アラネアは無事に助けた。

その他、第三部で出てきた設定はこちら
【FF15まめちしきその1】
ゲンティアナ情報によると、六神の中でも他の五神は自然を司り、星とともにある神なのに対し、バハムートは天空とともにある神であり、上位神にあたる存在である。

【FF15まめちしきその2】
イグニスによると、10年前のオルティシエで、ルナフレーナの遺体はその場から「消えた」(上記シーンのこと)

【FF15まめちしきその3】
バハムートの目的は、星と人を滅ぼすこと。ルナフレーナに闇を集め、シガイの力と、依り代としての神凪の力、双方を使って究極召喚テラフレアを撃ち、星を破壊すること。

かつての魔対戦では力が足りずに失敗した。バハムートは上位神で人との距離が遠い。剣神が神に逆らう人間を滅ぼすのは、病で傷んだ花を摘み取るようなもの。




4 最後の剣(エピソードノクティス)あらすじ

あらすじ・・星を浄化するため、10年ぶりに目覚めたヒゲノクト。色んな葛藤とかつれえわを繰り出すその前に、アンブラ(犬)を通じてルナフレーナが生き返っていることを知る。巻きだ。細かいことはいい。クライマックスに向かって巻いていくスタイルだ。

本編の「つれえわエンド」は軌道修正されるとともに、ルナフレーナがアーデンと同じ力を持っていると知り、早速、神の信頼に対する疑義が生まれる。色んなフラグが、バハムートを倒せ倒せとせきたてる

「俺は、誰かが犠牲になる世界なんて絶対に認めない!」

ゲーム本編のご本人に聞かせてやりたい矛盾だらけのセリフを吐き、というかこれイグニスが指輪をはめる時のセリフじゃなかったっけ?いざゆかん剣神討伐のためインソムニアへ!

剣神は二つの世界に存在するため絶対に殺せないチートキャラだけど、色んな条件が奇跡的にそろってうっかり何かいけそうな雰囲気だ!FF15最後の戦いが今始まる!

ひとこと感想・・真エンドキタコレ祭り
まず、ノクトがアーデンの目的とかソムヌスとか使命のことを知るのはクリスタルの記憶に触れたからで、そういえばアーデンもクリスタルに触れたからルシス中の人の記憶を理解してていたし、ルナフレーナは剣神の力で、イグニスは指輪の力で、つまり、神系のオブジェクトに関わると、超越的な力で世界の秘密が何もかも分かるという力技が前提となっていてっちょっとかなり都合がいい

でないと「対をなす世界」のバハムートを何とかするとか、プレイヤーであっても理解に苦しむ。

冒頭、ノクトが命を捧げて星を救う決意をした理由が明かされる。

ルナフレーナが命を削ってまで果たした神々との誓約を無駄にしたくなかった。本当はだれよりも守りたかった。生きていてほしかった。それが叶わないのなら、せめて、彼女の生きた証を守りたい。それを未来に残したい。

まあね、やっぱりそういうことですよ。ノクティスが葛藤しながらも王座に向かったのは、レギスだとか、イグニスとかグラディオとか、色んな人の思いを無駄にできないという思いはありながら、最後にはルナフレーナのためだったんです。

そんな彼女が生きていると分かった今、ノクトが死んでしまう理由がない。




アーデンはなぜルナフレーナを手にかけたのか

ここでようやく、エピソードアーデンのラストに繋がる。おちょくられて相手にされていなかったルナフレーナだが、エイラの名前を出してアーデンをキレさせることに成功する。

そこで気になる説明文が

やはりアーデンにとって唯一の弱みはエイラだった。だから、オルティシエで自らの手にかけた相手であっても、二度目の今は、ためらいを覚えた。それで、炎神を召喚せざるを得なくなった・・

私はアーデンがエイラに似ているルナフレーナを簡単に手にかけたのがどうしても納得できなかったのですが、これを見るにためらいは感じていたようで、今回はついに刃を向けることができなかったということ
ではなぜオルティシエでルナフレーナを殺したのかというと

  1. ノクティスに試練を与え真の王に近づけるため(神の使命説)
  2. ソムヌスに似たノクティスに自分と同じ苦しみを与えるため(復讐説)
  3. シガイの力を弱める神凪の治癒能力が邪魔だったため(神格化=ディアボロス化説 ※アーデンは羽みたいな服をきている)
  4. 誓約で力を使い果たした神凪を苦しみから解放するため(実はいい人説)
  5. そもそもエイラの存在が後付けだった説

まあ・・1から5のミックスかな!





新用語爆誕まつり

イフリートと戦い、シガイをすべて吸収したのち、ノクトと誓約させたルナフレーナ。ついに自我を失い、獣のような姿になった・・とのくだりがあるけど、上記扉絵のようなぱっと見、神様みたいな美しい姿になっている。

そこへ登場したバハムート、最後の最後で、新語・流行語のオンパレードまとめて紹介だ!!



【シガイの王】

言葉の響きがかっこよすぎて漫画のタイトルにして欲しい

真の王の役目はすでに終わった。星を正常化すべく、人に力を与えた。星を覆うシガイを消滅させるために。だが人は増長し、かついての愚行を繰り返した。もはや保護するに能わぬ。この星を浄化するため、生きとし生けるもの全てを消し去る。これも定められし運命。受け入れよ。

ということで、人類を滅ぼすために、シガイの王ルナフレーナに星の病の力が集めることが、バハムートの目的です。



【テラフレア】

ここへ来てFFのテラフレア。今作では星を滅ぼす究極の魔法という意味合い。

バハムートは聖石を回収するために、クリスタルごと都庁を持ち上げて空中に浮かせた・・うんそれラピュタ



【剣神兵】

ミニ・バハムート。無限に湧く。苦戦しているとグラディオ、イグニス、プロンプトがやっと登場。その上アラネア、ソル、ビッグス、ウェッジも来て「先に行きな!」祭り開催。こうでなくちゃ!

ちなみに本編の仲間3人、小説版では恐ろしいほど出番がない。それほど、ゲームと小説のテーマ性が異なるということだ



ファントムソード・テラフレア

究極召喚と読む。あふれ出る中二感。嫌いじゃない。

アーデン「あれはルナフレーナ様の計画だから邪魔しちゃ悪いんじゃない?剣神にファントムソード・テラフレアを撃たせて、眠らせるんだって」

剣神がルシス一族に与えたファントムソードの形をしたテラフレアらしい。

なるほど、剣神のデザインも、そういえばノクトのファントムソードみたいなものをずっと背負っている。自分の力というわけですね。




人類連合軍の誕生

本編でのアーデンの目的は真の王ノクトを殺し、神の秩序を全て破壊することでしたが、小説版ではその一歩先へ。

ノクトから光耀の指輪を奪い、肉体から解き放たれ、「対をなす世界」へ行ってバハムートを倒すこと。いつの間にか、ノクトとアーデンの利害が一致していました。

さあ、それでも心が納得できるかどうかは別問題。ノクティスのセリフをご紹介

ノクティス「おまえを倒せば、闇が消えて、世界に夜明けが訪れるって信じてた」

「でも違ってた。剣神によって星と人は滅ぶ。おまえを倒したところでそれは変わらない」

「剣神によって与えられた使命が意義を失った瞬間に気づいた。自分がなすべきことは、未来を取り戻すこと。クリスタルの内部で見た多数の生命、多数の人生、この世界に生きる全ての人々のために」

「もしもおまえが指輪を奪って、対をなす世界で剣神を倒せば、星と人類は救われるんだろう」

「オレは、誰かの犠牲によって成り立つ世界なんて認めない。たとえ、それがおまえであっても」

「おまえがオレの仲間にしたことを忘れるつもりはない。ルーナを殺したことだって正直おまえを許せない。憎んでる。けど、オレは全部、救いたい。今のオレにとっては、おまえも救うべき世界の一部なんだ」

「誰も犠牲にしたくない。でも、これで、あんたが救われるなら」

「ルシスの王たちよ!この者に光耀の指輪を貸し与えることを認めて欲しい」

「剣神を倒そうとするアーデンに力をカスことは、神に逆らうことだ。神によって力を与えられた、あなたがたが渋るのもわかる。けど、剣神は人を滅ぼそうとしている。あなたがたが守ってきたルシスだって消されるんだ。それでも神に従うのか!?」

矛盾だらけのセリフですが、ノクトはアーデンの心が救われるという一点のみを考え、結果的に彼の犠牲によって人類が存続していくという選択をしました。

信念を曲げる結果には目をつぶることにしたようです。人間らしい。
2000年の時を経て、神ではなく、歴代王全員に認められ、王座に向かったアーデン

指輪を差し出したノクティス

アーデン「こういうときは、なんて言うんだろうねぇ。忘れちゃったよ。二千年も経つとさ」

たったひとり、対をなす世界へ。




FF15最後の戦い

一方、シガイの王ルナフレーナ。

イフリートも加わり、全ての神と誓約したノクティスは、バハムートのテラフレアを五神の力でがっちりと受け止める!

かつての魔対戦の時は、四神がテラフレアから地上を守ったが、テルパの爪痕級の災害が起こった。今度はイフリートも加わっているため、いかにバハムートのフレアといえども、地上を傷つけることはでき・・なくもなく、何かちょとはみ出して大災害になったらしい。

良いのだ。闇に覆われた世界はたぶん人類が激減しているのだから。

闇の力が抜けて元に戻ったルナフレーナ、ゲーム本編ではかなわなかったが、ついに、ノクトと再会を果たす。

「私は今まで神凪として使命に従って生きてきました。でも、ソルに出会って、一緒に旅をして気づいたんです。本当は自分が何を望んでいるのか。だから私は、使命のため、誰かのために死ぬのではなくて、自分のために生きることができました」

「これが本当のお別れになるかもしれなから、言わせてください」

「ノクティス様。私は、あなたと生きたい」

良かった。FF15の小説を買ってほんとによかった・・




【衝撃事実】剣神バハムートはノクトと同じ顔

文章で何度読んでも何を言っているのか理解できないが、神同士の激戦のせいで剣神の仮面が割れて剥がれ落ちるシーンがある。※↑イメージ

バハムートの顔はソムヌスに、そしてノクティスによく似ていたとの説明文

・・に・・似ていた?
つまりバハムートの黒いフォルムは皮膚じゃなくてガチの鎧だったということだし、しかもそれを見たノクティス(説明文?)は、自分に似た顔のソムヌスを最初から王に据えるつもりだったのか!?(2000年前にアーデンが選ばれていたこともウソなのか)許せん!とかいう浅い義憤

何というか、そんな下世話な陰謀をめぐらす程度の存在だというがっかり感と、軽さがつらい

ゲームをプレイした時は神は本当に手の届かない至高の存在だったし、エピソードアーデンでは格式高い人間とは次元の違う存在だったものが、小説版FFではもうほとんど悪代官レベルになりました・・

気を取り直して、対をなす世界で、ソムヌスと歴代王の力を借りてバハムートの体を貫いたアーデン

魂が燃え尽きていく中で、エイラの姿を見た気がした
「みんなが忘れても、私だけはずっと覚えているわ」

アーデンが対をなす世界に魂を囚われたのは、2000年前、クリスタルに触れて拒絶されたからだということでした。

これはアーデンが最後に見た幻なのか、それとも、クリスタルに触れた時、アーデンと一緒にいたエイラの魂もあるいは・・?

「エイラ。ずっと一緒にいてくれ」
バハムートを倒したことで、神とクリスタルの秩序は完全に崩れ去った。

ゲンティアナ「お別れです。これからは、クリスタルもなく、神もいない、人だけの世界となる」

白い光が大地の向こうに見えた

長い夜が明けた。




小説版FF15感想 アーデンが勝利した物語


何と綺麗にオチがついていることか。神っぽいものを倒して人類を救う、いつものFFでした。

これはやはり開発当初からあったシナリオで、会社都合で無理やりにでも1本のゲームとしてリリースしなければならなかった本編の方が、後付け設定盛りだくさんの別物だったと思われる。

まとめるとこんな感じ

小説版(真の原作)
対立軸:神VS人間
メイン要素:恋愛
サブ要素:奇跡
味付け:甘口
バハムート除外
ルナフレーナ除外
対をなす世界除外
ゲーム版
対立軸:ウイルスVS人間
メイン要素:家族・仲間愛
サブ要素:必然
味付け:辛口
一枚であらわすと、↑これが↓こう
ゲームの世界展開を見据えた風呂敷の縮小化・路線変更だったのだなと納得です。

ほとんど恋愛要素のないゲーム版は好きだけど、こうしてみると、ノクトとルナフレーナの再開はゲームで見たかったなとしみじみ思える。

小説版バハムートは、人の心をある方向に仕向けたり、ルナフレーナを簡単に生き返らせる理論を超越した凄い力を持っているのに、シガイを蓄えすぎたアーデンを止められなくなったという設定がちょっと謎すぎるというか、肝心なところがうっかりさんで、なのにルナフレーナにシガイの力を蓄えて利用するとはこれいかに?

星の病=プラスモディウム変異体=シガイとは、少なくとも六神と同じ格を持っていると考えられ、また違う時代か、次元か、神とシガイは戦続けている存在なのかもしれない。



バハムートにとって、アーデンがシガイを吸収するのは想定内だったのに、アーデンがシガイを吸収し過ぎてコントロールできなくなったことが想定外で、つまり、何というか人類の、アーデンの勝利の物語なのかなと思います。

作中、ソルには「ニフルハイムのイドラ皇帝の隠し子」という設定があるが、それが活かされるのは、ルナフレーナに向かって自分は仇だと告白する場面のみ。

夜が明けた世界で、神の保護を失った人類は復興を目指していくことになりますが、その時、ノクトが持つルシス王という肩書や、ソルが持つニフルハイム皇帝の娘という肩書は、食べることも厳しい環境の中で、人々が団結して生きていくための心の依代となり得るかもしれない。

というか、真エンディングがあれば、スタッフロールと一緒に出てくる「その後エピソード」できっとそういう風に紹介されるはずだったに違いない。

300ページ以上あるハード本なのに、1,500円という安さを考えると、エピソードイグニス等DLCが500円だったこととバランスをとっているのかなとも思え、FF15が気に入っているあなたには手に取ってみて欲しい

2023年5月現在、まもなくFF16が発売されます。

私にとって、FF15をプレイしたくてPS4を買ってきた気持ちは今でも全く変わっていません。どんな物語になるのか楽しみにしながら、発売を待ちたいと思います。

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